非階層クラスター分析(kmeans法)を使って大船渡市の漁獲量を比較してみる
皆さんこんにちは。前回の記事では、「階層クラスター分析」によって、年間一万トン以上の水揚げ量がある市町村のクラスタリングを行いました。今回は、「非階層クラスター分析」によって、市町村をクラスタリングし、その特徴を見ていきたいと思います。
1、分析の方法
「非階層クラスター分析」(kmeans法)による分析を行う。「さんま」の漁獲量を基準とし、kmeans法を100回行った結果の、クラスタリングとクラスター数を取得し、グラフとして表す。
2、分析に使ったデータ
海面漁業生産統計調査の平成27年度のデータ(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500216&tstat=000001015174&cycle=7&year=20150&month=0&tclass1=000001042343&tclass2=000001097435)から、調査対象の魚類の総漁獲量が一万トン以上ある市町村をピックアップし、「くろまぐろ、かつお、さけ、ます、にしん、まいわし、まあじ、さば、さんま、ぶり、ひらめ、かれい」の漁獲量
3、非階層クラスター分析の結果
まず、表の右側を見てください。「ykm_cls」と書いてある下に、1〜5までの色のついたブロックが表示されています。これは、kmeans法によって、各市町村の漁獲量をもとに、市町村が1から5までのグループに分類されたということを表しています。
次に、表の一番左側の棒グラフを見てください。ここは、「1から5グループごとの、くろまぐろの漁獲量がある市町村の割合」になります。例えば、「くろまぐろ」では、紫色で表示された5グループの棒グラフが、90%程の数値を示しています。このことは、5グループに分類された市町村の約90%が、くろまぐろの水揚げがある、ということを示しています。
ここで、それぞれの市町村がどのグループに分類されたか確認してみましょう。
1グループは、宮城、愛知県が多いグループ、2グループは瀬戸内海、3グループは北海道太平洋側、4グループは北海道太平洋側+石川県、5グループはリアス式海岸沿いといった特徴があるようです。
岩手県大船渡市は5グループに分類されました。5グループは、まいわし、まあじ、さば、さんまのパーセンテージが100なので、青魚がよくとれるようですね。他には、にしん以外の魚のパーセンテージは40を超えているので、色々な魚が取れる漁場があるということも推測できます。
4、まとめ
私は魚が大好物なのですが、今まで漁場については疎かったので、今回のクラスター分析によって、漁場の特徴を大まかにですが、つかむことができました。また、クラスター分析を使わなくてもわかるのですが、ぶりやかれいは日本各地で取れるんだ、みたいなことも副次的にわかったことが収穫となりました。